新宮高校で2日、高校生に読書を勧める県のイベントがあった。リモートでつながった東京の大学生図書ボランティアを講師として本の魅力に迫った。その中で、おすすめの図書として絵本を紹介している学生がいた。
私も、小さい頃からいろんな絵本に触れて育ってきた。中でも強く印象に残っているのは、「じごくのそうべい」シリーズ。個性豊かなキャラクター一行が死んだ後に地獄や極楽へ行き、はちゃめちゃな行動でその世界をかき乱す物語である。
中でも今改めて考えて面白いなと思うのが、極楽のシーン。前話で、地獄でえんま大王を困らせた結果極楽へ行かせてもらったものの、極楽では花の上で静かに座っていなければならないという規則があり、退屈して仏様を薬で眠らせてしまう。極楽に行けたからといって必ずしも幸せではないというのが、なかなか深い。
知らず知らずのうちに絵本からはいろんなことを学んでいるものだ。「子どもに伝わるように」と目指す創作活動は、ある種表現の極地でもある。今回大学生が紹介したのはヨシタケシンスケ作の「ふまんがあります」という作品。久々に、絵本に立ち返ってみたい。
【稜】