紀南の地域は、外から来た人に対してすごく明るいと思う。
長距離観光列車「銀河」が今年の秋に紀南コースで再運行することが決まった。25日にJR西日本和歌山支社が発表した。コロナ禍での地域への好影響が期待される。
同列車は昨年運行時に人気が高く、チケットも高倍率で抽選が行われた。人気の要因にはコロナ禍でマイクロツーリズム(近場観光)が注目されていたこともあるだろうが、金岡支社長は会見で再運行の決め手の一つとして、地域をあげてのおもてなしが好評を博したことを挙げた。
熊野の人々がその昔、熊野詣での折に遠方から苦難の道を越えてたどり着いた人々を手厚く迎えたことは有名だが、その気質は受け継がれているのだろう。私個人としては移住の際にも、取材であらゆる現場にお邪魔する際にも、地元の方に分け隔てなく接していただいていることが実感として残っている。
今回の「銀河」の再運行は、そのような「他」を迎え入れる熊野の気質が形となって実を結んだ一つの例であるように感じる。今年の10月から銀河に乗って来る人も、きっとまた熊野を好きになってくれるのだろうと、今から楽しみである。
【稜】