天守の復元や保全・活用の機運が高まっている新宮城。城の中核である天守台南面の石垣の1つがこのほど、新宮商工会議所青年部員らによる清掃活動で姿を現した。城壁を折り曲げることによって城の防御力を高める「横矢掛」と呼ばれる石垣で、中でも同所は屏風折れという出角が重なっている場所。草木が生い茂って見えなかった4つ目の石垣が現れ、美しい全貌が見られるようになった。
新宮城は別名・丹鶴城、沖見城とも呼ばれるが、二の丸という言い方がなじみ深い市民もいるのではないか。その昔、二の丸旅館があった名残のよう。私は二の丸派だが、父はよく、お城山と呼んでいた。それが何だかかわいらしくて、いろいろな愛称がある新宮城は市民に愛されているのだなあと思う。
遠足の定番スポットであり、整備された階段でトレーニングする人や散歩に訪れる人、花見シーズンともなれば人でごった返すことも。今はコロナでライトアップは行われていないが、夜桜も趣がある。しかし、石垣に注目する人はあまり多くない。新宮城跡の魅力は石垣にあるという。貴重な横矢掛の全景をぜひ見に行ってほしい。
【織】