15日にトンガ諸島で発生した大規模な海底火山の噴火。気象庁は午後7時過ぎの時点で、日本の太平洋沿岸では若干の海面変動が起きる可能性があるが、津波による被害の心配はないとの予報を発表。その後、大幅な海面変動があり、16日午前0時15分に津波警報や注意報を発表。対象地域の67の潮位観測所のうち、半分以上の39か所で最高潮位を観測するまでに何とか間に合った。
今回の気象庁の対応に賛否両論、さまざまな意見が出ている。中には「急に津波警報に切り替え。場当たり的では…」の批判も。気象庁の資料によると、国内で全国的な津波警報体制が確立されたのは1949(昭和24)年12月2日で72年前。世界的にも100年に一度あるかないかといわれている大噴火で、日本より先に津波が到達した海外の観測地点で大きな津波は観測されていない。経験もデータもない中で正確な予測は難しいのは明らか。
漁船や遊漁船の転覆、養殖いかだが流されるなど被害があったが、人的被害がなかったのは不幸中の幸い。メカニズムの解明とともに、少しでも改善できることがあれば、改善し、次につなげてもらいたい。
(J)