受験生の共通テストの日程が15~16日の2日間で、目前に迫っている。教育現場の取材に出向いた際には、新型コロナ感染者の急増でその実施方法などや受験生の心身の状況を案ずる声が聞こえてきた。さまざまな状況が変化する中で受験生は今、何を思っているだろうか。
一応は当時のセンター試験を経験した立場より、僭越(せんえつ)ながら一つ助言をさせてもらえるとするなら、結果にとらわれすぎないようにと伝えたい。結果にこだわるのは大事かもしれないが、やることをやったら後はリラックスしてこれまでの成果を出すだけである。
仮に第一志望の大学に合格できずとも、それによって開ける道もある。これは受験に限った話ではない。就職や恋愛、スポーツの試合結果、旅行先での計画、くじ引きなど、さまざまな場面でその人の「第一志望」が必ず叶うとは限らない。しかし、努力してきたこと、願ってきたことはいつか思わぬ形で実ったりもする。
そう思えば少しは緊張もほどけるのではないか。人間万事塞翁が馬。地域の宝である若人たちのやってきたことが、疫病にも寒さにも不安にも動じず発揮されることを祈る。
【稜】