新型コロナウイルス感染症に関するデマやうわさ話が後を絶たない。ある市の施設に勤務する人が新型コロナウイルス感染症で陽性が判明したことを受け、別の市にある同様の施設でコロナが出たとするうわさがあった。
第4波の最中、ある県の企業に「社内で感染者が出た」「従業員がコロナになった」と、事実と異なるうわさ話が取引先や客の間に広がった。社長の家族の勤務先で感染者が確認されたことが発端だったようだが、真偽を尋ねる問い合わせへの対応に追われ、来客のキャンセルもあったという。
日本ではデマを流したということだけで罪になることはないが、引き起こされた事態によっては名誉毀損(きそん)や侮辱、脅迫、業務妨害に問われる可能性がある。県内でも過去にはデマを流して名誉毀損で書類送検された事例もある。
初めはたわいもない世間話でもそれが広がり、尾ひれ背びれがついてとんでもない話になることもあり、悪意がなくとも人を傷つけることもある。非常事態であればあるほど、根拠のないうわさ話や不確かな情報に惑わされたり、広めたりすることなく、正確な情報をもとにした冷静な行動が求められる。
(J)