紀宝町立矢渕中学校サッカー部が、先日開かれた三重県中学校新人サッカー大会で準優勝した。創部以来の最高成績で、名誉なことだと思いながら取材に出向いたが、その試合内容を聞いて感服した。１回戦を４−１で快勝すると、２回戦は１点リードされた展開の中、残り５分で２点を入れて逆転勝ち。準決勝でも０−１で迎えた残り１分で同点に追いつきＰＫ戦で勝利した。

　サッカーは３０秒あれば１点取れるスポーツだが、肉体的な疲労がピークを過ぎ、精神的にも追い込まれる終了間際の同点・逆転劇はそう簡単ではない。その難しさは学生時代に身をもって経験しているのでよくわかる。今回の準優勝は、最後まであきらめず、自分たちを信じてプレーを続けた結果だと思う。Ｗキャプテンを務める２年生の２人は「メンタルには自信があるので」と涼しい顔で言った。

　紀宝町～紀北町の東紀州地域でサッカー部のある中学校は矢渕中のみで、今大会も予選がないため県大会１回戦が初戦だった。他チームに比べて公式戦の数が少ない不利はあると思うが、その分中身の濃い練習で補っている。次は県大会優勝。大いに期待したい。

【Ｆ】