尾鷲市の奨学金の利用が低迷している。より借りやすくするための条例改正が15日の市議会で全会一致で可決された。委員会質疑では、金額や条件についてさらなる改善を求める意見が複数あった。
言うまでもなく、大学や短大などに子どもを行かせるためには下宿などが必要。二重生活を余儀なくされる。自宅から通える都市部の子どもに比べ、仕送りという親の負担が生じる。この部分の軽減が求められる。
委員会の議論では、「複数の奨学金を利用する」という話があったが、議員の声にもあったように、尾鷲市の奨学金1本で済むのが望ましい。借りた学生にしても返済の手続きや残金把握が容易になる。返済年限を伸ばす、猶予規定を手厚くするなど総合的に見直せば、新たな制度設計も可能だ。多くの人に貸したいなら、現在の仕組みも残し、事務の手間を教育委員会がもってあげればいい。
尾鷲で就業したら免除になる規定もあるが、改正後でも「卒業後1年以内」に戻って来る必要がある。例えば都市部で5年務めて帰ってくる、10年経験を積んで戻るといった場合にも適用してはどうか。尾鷲に戻って来る後押しになるに違いない。
(M)