全国水平社が来年、創立100周年を迎える。先日新宮市人権教育センターであったレザークラフト教室の前段で、関連するビデオを見た。水平社は1922年、被差別部落の人々の解放を目指して「水平社宣言」により創立された組織である。
差別はどこから来るだろう。この問いに対する明確な回答は、まだ見つからない。人の中に先天的に、かつ潜在的に備わっているものであるような気もするし、生まれ落ちてから人間社会の中で後天的に、副産物のように育まれてしまう感覚のような気もする。
反省すべきは、私の中にも差別があるということである。異国のものを無意識に拒んでしまったり、異形のものを恐れ抵抗したくなってしまう気持ちが、たしかにある。
ひどいものだが、差別撤廃は、これを自覚したところから始まるのかもしれない。自分だって他の人から見たら「異国」であり「異形」であるということを知らなければいけないし、自分の恐れや無知によって誰かを傷つけることの愚かさをわからなければならない。
差別は歴史の一部ではなく、人の中に流れる普遍的な課題である。水平社は今もなおわれわれに問いかけている。
【稜】