お風呂が恋しい季節になってきた。体を温め、1日の疲れをとってくれるが、これから4月にかけての寒い季節は入浴中に気を失い、浴槽で溺れる事故が多くなる。
厚生労働省人口動態統計(令和2年)によると、高齢者の浴槽内での死亡者は4724人で、交通事故のおよそ2倍となっている。
原因の一つは、急な温度差による血圧の急激な変化による意識障害。暖房が効いた暖かい部屋から冷え込んだ脱衣所に移動して衣服を脱ぎ、浴室も寒いと、血管が縮まって血圧が一気に上昇。浴槽に入り体が温まってくると血管が広がり、急上昇した血圧が下がる。この急激な血圧の変化で一時的に脳内に血液が回らない状態になり、一過性の意識障害を起こし、溺れて亡くなるという。
対策は
- 入浴前に脱衣所や浴室を暖めておく
- 湯温は41度以下、つかる時間は10分までを目安にする
- 浴槽から急に立ち上がらない
- 食後すぐや飲酒後、医薬品服用後の入浴は避ける
- 入浴前に同居の家族にひと声掛ける
- 家族は入浴中の高齢者の動向に注意する。
「自分は元気だから大丈夫」と過信せず、「自分にも起きるかもしれない」という意識が予防につながる。
(J)