衆議院議員総選挙が終わった。自民党が単独で絶対安定多数を確保。日本維新の会が躍進し、その他の野党が敗北と言える結果。与党への批判は強かったが、大勢として自公政権に政治を任せることを選択した。
一方、自民党は幹事長を務めていた甘利明氏が、野党の新人候補に敗れたことは注目に値する。元法務大臣の買収事件の資金の出所や自身の金銭疑惑に関する説明責任が求められ、逆風となった。主権者の判断が結果を変えた事例と言える。
11月3日は1946年に現在の憲法が公布された日である。半年後の5月3日に施行された。安倍、菅政権は憲法的価値を後退させてしまったと考える。今回選ばれた議員はどうか。国会議員こそ憲法順守義務をしっかり心する必要がある。
不正に関する国民の目は厳しい。三重4区で当選した鈴木英敬氏は本紙のアンケートに「当選無効となった議員の歳費返納等を義務付ける法改正等の速やかな実現」と答えている。岸田文雄総理は、歳費の4割不支給を打ち出した。他の犯罪と同様〝逃げ得〟を許さない仕組みが必要で、国会議員は仕組み的にも道義的にも、より自ら律する仕組みづくりが求められる。
(M)