紀北町の町長選挙に当たり、有権者から話を聞くと「働く場所がないから町が衰退してしまう」「若者が生活できるように雇用を増やしてほしい」という意見がかなりあった。
今回の選挙は、猛追する新人候補を現職が振り切るという形になったが、新人候補が掲げた公約のうち、特に「役場内に起業を支援する部署を新設する」という施策は非常に分かりやすく、まちの将来を心配する町民の琴線に触れたのではないか。「新しい風を入れないと、このままでは町がなくなってしまう」という焦燥の声もあった。
多選への批判はあったものの、「無駄遣いをせず、堅実にまちづくりを進めている」「これまで通り、住民目線で町長を続けてもらえたら」と、現職の実績を評価する声も少なくなかった。
民意により、現職がもう4年間町政のかじ取りを担うことになった。Uターン移住の観点では、既にSNSなどで出身者とのつながりづくりに着手しており、これを発展させていくことも一つの方法。
出身者が観光業や一次産業で就労する仕組みは理想的。町を知り尽くした現職だからこそ、堅実なまちづくりと同時に、大胆で革新的な地域活性化策を求めたい。
(R)