好きな詩がある。「わたしのまちがいだった/わたしの まちがいだった/こうして 草にすわれば/それがわかる」ー。八木重吉の「草にすわる」という詩。どういうわけか自分はこの詩の背景に夏の夕方を連想する。
大概失敗するのは夏の時期だ。実際の季節だけの話ではない。一人の人間の中にも季節はある。時にそれは「波」とも呼ばれる。夏は最も精力的で盛り上がっている時期だ。そういう時は大概失敗する。大概挑戦しているからだ。
中学校・高校の総体が行われた。最近は新宮高校の女子サッカー部が初めて関西女子サッカーリーグに参戦し、新翔高校では吹奏楽部に20人を超える1年生が入って初めて大編成でコンクールに挑む。当地方でもたくさんの挑戦の芽が日々成長し枝葉を広げている。
学生時代も今も、結果は思い通りに行かないことがほとんどである。しかし、それが逆に良かったりもする。何が失敗で何が成功かは誰にもわからないのだろう。過去や未来にとらわれず「現在」に集中するのは色んな分野で言われていることだ。頭でっかちに考えすぎる時は、草にすわる。感覚と対話すると自分自身の本音に気づく。
【稜】