静岡県熱海市で3日に発生した大規模の土砂災害。亡くなられた方のご冥福を祈り、被災者にお見舞い申し上げる。行方不明者の捜索が続いている。助かる人が見つかってほしいし、「避難して無事」という人が、まだ出てくることを願う。
右往左往があったようだが、5日夜「所在不明者」として64人の名前が公表された。住民基本台帳に基づいたもの。公表により連絡が取れるなどした人が約40人いたよう。一部報道によると午後6時時点では29人という。
個人情報の管理に対する目が厳しい中、今回の氏名公表は英断と思う。公表がなければ7日朝の時点で約60人が行方不明とされた可能性があった。生存情報あるいは、本当に不明という情報は、捜索範囲の絞り込みにつながる。つまり、救助の可能性のある人が、助かる可能性を高める。
社会のつながりの希薄化で、隣にどんな人が住んでいるのか分からない。さらにコロナ禍で避難場所の分散が求められていて、親類宅やホテルへ避難する人もいる。避難所だけで、誰が生存しているかを確認するのは難しくなっている。災害時の情報公開について、自治体は指針を作っておくべきだろう。
(M)