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不連続「偏狭の是正を」

 安倍前総理が「反日的な人がオリンピックに反対している」といった発言をし、大きな批判を浴びている。ネットでは「オリンピック反対者は非国民、と言っているのと同様」との趣旨のコメントもみられる。

 政権に反対する人も基本的には、日本をよくするため発言している。「オリンピックを開く方が日本のためになる」という人と、「今、オリンピックを開催すれば、新型コロナの感染で大変なことになる」(今、しない方が日本にとってよい)という対立。相手も、日本をよくするために発言している、という視点が抜け落ちている。

 太平洋戦争で負けるまで、天皇主権の国だった。「お上に逆らうな」ということは制度的な圧力だった。中国や北朝鮮では日本人にとって健全な政府批判であっても「反国家的」とされることがあるが、日本において、よりよい方向を目指す意見を「反日的」というのは、いかにも偏狭。

 地方行政でも同じで、議会では何がよりよいかという観点で議論が行われる。執行部が「これがベスト」「よりベター」と思うことと、議員や住民の考えが違う時にどうするか。そこにこそ、熟議や説明責任が求められる。

(M)

      7月 5日の記事

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