「八街市で発生したトラック事故は弊社とは無関係です…恐れ入りますが、今一度、会社名や住所等をご確認頂けます様、お願い致します」。千葉県で発生した下校途中の小学生の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、５人が死傷した痛ましい事故で、茨城県にある無関係の会社に苦情や無言の電話が相次いだ。対応に追われて業務に支障を来し、警察の助言を受けて、ホームページでその旨を説明している。

　２０１７年６月に神奈川県の東名高速で発生したあおり運転の末の死亡事故では、逮捕された男と名字が同じ、男の住所が会社の所在地の隣の市、男の職種が同じという点がデマの根拠になり、無関係の会社が勤務先としてネットで拡散された。嫌がらせの電話が一日１００件以上かかり、無関係だと説明しても相手は納得せず、会社は臨時休業。不審な車も出没するなど、平穏な生活が破壊された。

　今回は、運転手が勤務する会社の親会社と読みは同じながら、会社名の漢字に住所も違う。九州の事件と同じように、説明しても話がかみ合わない人もいたという。よく確かめればわかるはず。思い込みで暴走する〝正義感〟はやっかいなものである。

（Ｊ）