新型コロナウイルス感染症の切り札とされるワクチン接種。当地方でも65歳以上の高齢者への2回目のワクチン接種が進み、64歳以下についても接種券を発送したり、発送の準備が進み、7月ごろから接種が始まる見込みで、尾鷲市では11月にかけて希望者全員の2回接種を終わらせたいとしている。
「店を開けていないか」「マスクをしているか」「県外から来ていないか」…。一時期、非協力的と見える他人を一方的に糾弾する〝自粛警察〟なるものが盛んに報道された。現在はほとんど報道されないが、完全になくなったわけではない。ワクチン接種でも周りの人に強制したり、未接種者を探し回ったり、誹謗中傷、偏見や差別につながるような行為が懸念される。
ワクチン接種は強制ではなく、あくまで本人の意思による。明らかに発熱している人や重い急性疾患にかかっている人、ワクチンの成分に対して重度の過敏症の既往歴のある人など、打ちたくても打てない人もいる。人口のある程度の割合が免疫を持つことで期待できるのが、他の人にうつりにくくなる集団免疫。人にはその人なりの事情もある。身勝手な正義感は慎むべきである。
(J)