新宮市高田地区でテニスコートが完成した。ナイター照明を備えた人工芝コート8面と、トイレや物置が入るクラブハウス(木造平屋建て)、56台分の駐車場を備えた施設。かつてあったテニスコートは紀伊半島大水害(2011年)で大きな被害を受け使用できなくなり、愛好者や団体から再建を求める要望が上がっていた。
地元住民の利用はもとより、新型コロナウイルス感染症が終息すれば大会や合宿などでの活用に期待がかかる。すぐ横に雲取温泉「高田グリーンランド」があり、環境は抜群だ。
新宮市内には、くろしおスタジアム、やたがらすサッカー場(いずれも佐野)があり、子どもらや愛好者の利用は充実しているが、合宿や大会誘致の部分では、近隣の熊野市ほどうまく機能しておらず、まだまだ改善の余地はある。スポーツ施設を点で捉えるのではなく、宿泊施設や飲食・仕出し事業者などを線でつなぎ、市全体で経済効果を狙って取り組む必要がある。
市の事業を見ると、文化振興に比べ、スポーツ振興への取り組みが甘い。今回のテニスコートを含め、市当局は関係団体と連携して事業を模索してほしい。
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