新宮市出身でプロ野球・広島のルーキー森浦大輔投手が公式戦デビューを飾った。大学卒で即戦力としての期待はあったものの、開幕当初にデビューできるとは周囲の予想よりも早い。オープン戦から無失点ピッチングを続け、勝ち試合での終盤の1イニングを任される起用だったが、ピンチを招いたものの無失点に切り抜け首脳陣の期待に応えた。
身長175センチ、体重71キロ。プロ野球選手の中では小柄で、「ユニフォームを脱ぐとプロ野球選手には見られないこともある」(父・孝二さん)という。150キロを超える速球はなくとも、得意の変化球で相手に狙い球を絞らせず、バットの芯を外す投球術は新人離れしていると評価が高い。
本人の表情はいつもクールで喜怒哀楽を出さないタイプだが、その分内に秘めたものは大きい。初めてのキャンプを乗り切るにも相当の努力があったはずだ。試合で常に無失点に抑えるのは難しい。相手打者に研究され打たれる場面もこれから出てくるだろう。それでも森浦投手はさらに相手を研究してその上をいくのではないかと期待してしまう。毎日、広島の戦いぶりを見るのが楽しみの一つになった。
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