津市でソメイヨシノの開花が確認された20日、尾鷲測候所があった当時の標本木である尾鷲簡易裁判所のソメイヨシノも開花した。例年より1週間余り早い開花で、今年も全体的には暖冬だったが、寒気の南下で時折寒い日もあり、一定期間低温にさらされることによる休眠打破が進んだことが要因のようだ。
1953年から2007年まで行われていた尾鷲の植物季節観測によると、ソメイヨシノ開花の平年値は3月28日。最も早かったのは1989年の3月17日。次いで1959年の3月18日、今年はそれに次ぐ早さで、1990年と2020年にも3月20日に開花している。
期間中の天候にもよるが、開花から満開(八分咲き)まで1週間ほどとされる。簡易裁判所のソメイヨシノはどちらかといえば遅い方で、すでに咲き進んでいる木もある。野山を歩くと、ワラビの新芽も顔を出し、いよいよ春本番。
車で移動することが多い現在、特に仕事を持つ人は自然に目を向ける機会が少ない。少し歩けば緑の多い場所に行ける自然豊かなこの地方。たまにはのんびりと歩いて自然に触れる。そんな時間を持ってもいいのではないか。
(J)