先日、三重大学の研究グループが、ショウガに含まれる10—ジンゲロールという成分が骨細胞の形成を抑制する効果があると、学術雑誌のオンライン版に発表した。3年程度で実用化を目指すという。論文は「破骨細胞優位の骨粗しょう症の改善に役立つ」ということだったが、予防にも効果があることが期待される。
論文の概要を読むと、これまでショウガの中に有効成分があることが判明していて、今回の研究で具体的な物質が特定されたらしい。骨粗しょう症の治療薬はすでにあるが深刻な副作用の報告もある。この成分の効果は、薬に使われている成分と同等以上で「低用量の投与でも、有効であることが分かった」という。
新型コロナウイルスに関する研究も行われている。大学の広報誌によると、鼻に噴霧する形式のワクチンの研究開発を行っているとのことで、鼻やのどでウイルスを中和し、感染をブロックするものらしい。アメリカ企業の資金提供で治験を行うという。
学生のクラスター発生や不祥事で目立ってしまった三重大医学部だが、成果が上がっていると、地域の医療の拠点として安心感、信頼感が高まるのではないか。
(M)