正月の雰囲気も取れて来たころ。玄関にしめ飾りがあったり、商店などには鏡餅が飾られてあったりして、名残りは残るが、15日のどんどが終わると、新年ムードもなくなる。
正月行事の多くが中止または規模縮小になった。帰省してくる人や、見物客から感染が地域に広がることが懸念された。地域が高齢化していて、一部の行事は、支えている人のほとんどが高齢者。「一度できなくなってしまうと、翌年にできるのか心配」という声も聴かれた。伝統行事は地域性が出る。廃れてしまったものもあるが、できるだけ残していかなければいけない。
実施が無理になっていくなら「昔、こんな行事があった」ということが分かる記録を作っておくことが必要。時代の移り変わりによって変容することは致し方なくそれが「文化的景観」と言えるが、変化を含めて、できれば映像を残しておくことが望ましい。
ニラクラやギッチョなどは、紀伊半島東岸では独特な風習で、守っていかなければならない。地域の人、地域の行事に関心を持つこと、参加することが、残すことにつながる。来年はぜひ、これらの行事が無事に行われるようになってほしい。
(M)