IT(情報技術)とソーシャルメディア(SNSや動画配信サービスなど)の発展とともに広がりを見せているのが陰謀論(デマ)だ。陰謀論そのものは昔から存在しているがソーシャルメディアを通じて、その拡散力とスピードは瞬時に世界を駆け巡る。
世界が注目する米大統領選が終わり、バイデン候補が勝利したが、トランプ大統領は不正選挙だと主張し、それを信じる人がアメリカのみならず日本のトランプ支持者も叫び続ける異常な状態。
ある科学雑誌の論文によると、いったん陰謀論を受け入れると、人はまともな科学的・政治的・社会的問題に注意を払おうとしなくなり、陰謀論を正当化してくれる情報のみに接するようになっていく、と説明する。さらに陰謀論は科学的裏付けがないため出足が早い。正しい情報は、証拠を積み重ね事実を検証するため提示が遅れる。
多様化する情報を正しく活用するための基本スキルとして情報リテラシー(知識や理解)は不可欠で、これを高めることで、誤情報や偏った意見から身を守ることにつながる。正確な情報を安全に発信することにも役立つ。
【茂】