地域活性化策として、雇用と消費を創出できる企業誘致が理想的ではあるものの、南海トラフ地震のリスクを抱える当地域でうまくいくのか、という不安がある。新型コロナで今後数年の世界規模の経済活動の鈍化は避けられない。そもそも、コロナの前でさえ、全国的に企業の資本投資は活発とは言い難い。
コロナといえば、大学に通えずに通信授業ばかりになっていることが問題となっている。学生の精神的なケアなど課題は多いが、リモートワークの基礎を身につけるきっかけとなり、この世代が働き出せばテレワーク社会が加速する可能性はある。
コロナ禍でUターンが注目されているが、東京一極集中の流入超過は1980年ごろからで、必然的に東京出身という人たちが増える。地元出身者だけでなく、この層のテレワーク場所として受け入れることができれば、地域活性化の一助になり得る。
これからは企業ではなく、仕事を持つ人を地域に誘致していく時代に変わっていくのではないか、と考えている。尾鷲市ではおわせ暮らしサポートセンターがテレワークの受け入れを進めている。「碇泊」のような取り組みはどんどん行っていくべきだろう。
(R)