台風14号は、当初の予想よりゆっくりとした速度だったが、紀伊半島の南にそれたこともあり、幸いにして尾鷲市や紀北町では大きな被害は出なかった。
気象庁は9月9日から、24時間以内に台風に発達しそうな熱帯低気圧について、1日先までしか発表していなかった進路等に関する予報を、台風同様5日先まで発表するようになった。台風14号が、その適用1号だった。
防災事前計画(タイムライン)という考え方がある、数日前から襲来が予想できる台風対応には適した考え方だろう。台風14号に関しては県が予報円に入った5日午後2時、タイムラインを発動している。
今回は台風になってからの発動だったが、本州の近くで台風に発達するような場合もより早く対応できるようになった。「情報が早く出れば、早め早めの対応ができる」と県の防災担当者。
以前にタイムラインの策定を取材した。県、市町、地区そして個人レベルのものまで連動させることが、被害防止につながるという。例えば3日前には家の周りを点検、2日前には弱い部分の補修、1日前に備蓄の買い足し、警報が出たら避難する。予想技術の進歩を実際の防災に生かしたい。
(M)