新型コロナウイルスをめぐる誹謗(ひぼう)中傷や偏見に歯止めをかけ、感染者や濃厚接触者、医療従事者への寄り添いや支援を広めようと、愛媛県の市民団体が提唱した「シトラスリボン運動」が全国へ広がりを見せている。
福岡県古賀市の花見小では児童が休み時間にリボンを作り、家族や来校者にも配布。子どもたちの活動に触発され、古賀市役所職員もリボン作りを始めた。栃木県でも矢板市や壬生町の団体、高根沢町の学校も賛同。秋田県から沖縄まで170を超える個人、企業、団体も賛同しているという。
一方で、新型コロナウイルスに職員が感染したと公表した長野銀行小諸支店で、窓ガラスが割られるという事件が発生。相変わらず誹謗中傷やデマ、いやがらせが横行している。
「優しさや温かさも、噂や誹謗中傷と同様に連鎖する。どちらを選ぶかは自分次第。人を分断していくコロナ禍だからこそ、つながる喜び、誰かのために知恵や力を発揮する喜びも大きいのではないか」と発起人の一人。「わざわざ言わなくてもいい世の中になればいい。活動自体が不要になることがわれわれメンバーの目標」。その日が来ることを願いたい。
(J)