当地方の梅雨入りは間近と見られ、台風シーズンもやってくる。各地で地震が頻発しており、南海トラフの地震も心配だ。新型コロナウイルス感染症への防止対策を引き続き行いながら、行政は災害時避難所の3密回避へのシミュレーションを進め、住民も「いつもの年とは違う」ことを頭に入れて行動する必要がある。
未曾有の大災害となった紀伊半島大水害(平成23年9月)から今年で9年を迎える。熊野川や那智川が氾濫し、多くの犠牲者を出した。国はこの災害を機に、重大な災害が起こりうる危険性を示す「特別警報」を設け、近年、各地で命の危険が迫る事態が想定される際に発令され、早い段階での避難行動を促している。
6月は土砂災害防止月間に指定されており、那智勝浦町市野々にある和歌山県土砂災害啓発センターでは特別企画展を実施。土砂災害から身を守るために「どこが」「いつ」危険で、「どこに逃げるか」を解説したパネルなどを展示している。時間が経過すれば記憶や意識は薄れてしまう。こうした機会を捉えて、災害に備える意識を頭の片隅に置いておくことが大切だ。
【F】