ベトナムでの生活紹介
新宮市立光洋中学校で26日、全校生徒156人を対象とした「光洋やろら会教育講演会」があった。今年度は同校出身で日本語教師としてベトナムで過ごした経験のある清水浩太さんを講師に招き、夢を叶えるために必要なことなどを学んだ。
光洋やろら会(光洋中学校学校運営協議会)とは、同校が家庭や地域と連携して教育活動を展開し、地域や社会に開かれた学校づくりを一層推進できるように作られた組織。地域の代表者・育友会・教職員で構成され、幅広く活動している。
清水さんは新宮市三輪崎出身。三輪崎小、光洋中、県立新宮高校、愛知大学を卒業後、不動産会社へ就職するも、海外で働く夢を実現するため、サラリーマンを辞めて日本語教師養成講座のスクールに通い資格を取る。2011年5月、日本語教師としてベトナムへ渡り、製造業、IT系に特化した日本語教育に携わる。その後、中古機械商社に転職し現地日系企業に機械販売や移設を提案、規模を拡大した。
また、少年野球のコーチ・監督を務め、ベトナムで野球普及活動をするため日越野球協会を設立。発起人の一人となる。2023年ベトナム赴任の任期を終えて帰国。貿易やベトナム語通訳・翻訳サービスを営むNK TRADINGを開業した。
■日本と重なる部分も
講演では、ベトナムで仕事を始めるようになった経緯、ベトナムの場所や時差、どのような国なのかなどを説明。ベトナムの食べ物は米が主流で世界の米輸出量1位になることもあるぐらい稲昨が盛んで、日本の米と品種が違って細長く、匂いが強く、ぱさぱさした食感で、カレーやチャーハンに合うと話した。
ベトナムの風習や文化については、日本と同様に中華文化の影響を受けていた国で、正月は旧暦を使う。日本でなじみの「干支」(えと)もベトナムにあるが、登場する動物が少し違うことも紹介。また、漢字文化圏だったため、日本語と同じ意味で発音も似ている言葉がいくつかあると伝えた。
清水さんは「高校に進学したり、働いたり、皆さんはこれからの将来を進んで行くと思いますが、迷った時は今回の話を思い出してもらえたら僕はうれしいなと思います」と呼び掛けた。
生徒会長の竹村翼冴さん(3年)は「本日は忙しい中、自分たちのために貴重なお話を聞かせてくれてありがとうございました。ベトナムについての話がとても興味深くて将来ベトナムに行ってみたいと思いました。今回の話を参考にしながら清水さんのような郷土愛あふれる人間になりたいと思います」と感謝の気持ちを伝えた。