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神徳に感謝ささげる 新宮の速玉祭

 新宮市の熊野速玉大社の例大祭(国指定重要無形民俗文化財)が16日、2日目を迎え無事終了した。2日目は午後から神輿渡御(みこしとぎょ)式を行い、神輿が町内を巡った後、熊野川の河原へ。神幸船に神輿を乗せ川を遡上(そじょう)。それに先駆けては、早船競漕で9区9隻の船が上りと下りの早さを競い、上りでは明神区が30数年ぶりに優勝した。その後、上流部にある御旅所で神事を斎行し、一行は静かに本社へ還幸(かんこう)。小雨が降り、山々が霧に包まれる中、粛々と神事が行われた。
 
神 輿 渡 御 式
 
 2日目は熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ=イザナミノミコト)を祭る第一殿「結宮」の例大祭。午後2時から神事を行い、神霊を神輿に遷(うつ)し、男衆がそれを担ぎ、「わっしょい、わっしょい」とたけだけしい掛け声を上げながら、大社を出発。背に「神」と書かれた白い法被(はっぴ)に身を包み、鳥居をくぐり、町内を練り歩いた。この日は小雨が降り続いた影響で、予定を1時間短縮して斎行。住民らは家から出てきてその姿を拝み、写真で撮るなどしながら、古くからある祭りの姿に触れた。その後神輿は熊野大橋付近の河原に到着し、神霊は神幸船に遷された。
 
 
早 船 競 漕 は 明 神 区 優 勝
 
 
 神幸船の水先案内として、早船が先に出船。午後3時40分ごろ、11人ずつ乗り込んだ9区9隻の船が一斉にスタートを切り、掛け声とともに力いっぱい櫂(かい)を漕ぎ、川をさかのぼって速さを競った。

 御船島に差し掛かる頃には明神区がリードを有しており、次いで阿須賀区、王子区と続く展開。御船島を3周する間も上位の局面は変わらず、そのままゴール。明神区のメンバーは互いに抱きしめ合うなどしながら勝利を喜び、OBも駆け寄り歓喜を分かち合った。明神区が過去に優勝したのは、30年以上前になるという。

 明神区の艫(とも)取りを担った尾屋一成さんは「めちゃくちゃうれしい。今年は特にチームワークがよく、本番でも息を合わせてできたと思う。来年もできればこのメンバーで出て、連覇したい」と語った。

 早船競漕の後、神幸船が御船島を3周回った。その際、諸手船では「アタガイウチ」と呼ばれる赤い装束姿の女装した男性がハリハリ踊りを舞い、御霊を御旅所に案内した。岸にたどり着いた一行は、神輿を船から下ろし、列をなして御旅所へ向かった。
 
 
御 旅 所 神 事 ~ 本 社

 御旅所では、神輿から神霊が杉ノ仮宮(かりみや)に遷された。夕刻の静けさの中、仮宮の前に松明が運ばれ、続いて御旅所神饌「オミタマ」が供えられた。見物に訪れた参拝者も含め誰一人声を発さぬ厳粛さで、上野顯宮司がただ一人、祝詞(のりと)を奏上。続いて全員で二礼二拍手一礼をし、神徳に感謝をささげた。

 その後、本社へ還幸。全ての神事を終え、上野宮司は「今日はありがたい雨をいただいた。(祭りでは)勇壮な部分に人の目はいきがちだが、勇壮な部分もそれを超えて何のために渡御神事が伝わってきたのかを考えると、その先にあるもっと尊いものが見えてくる気がする。このお祭りも人間中心のお祭りでなく、神様に対しての『これでよろしいでしょうか』という気持ちが常に表れている」と語った。

 また「どうか皆さまもお元気で、ますます健やかになり、少しでも世のため人のために尽くすことができればうれしいし、私どももそうありたいと願っています」とし、参拝者や奉仕者にお礼を伝え、来年のお燈祭りを見据えた。

      新宮市

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