8日午前8時38分ごろに発生したフィリピン付近を震源とするマグニチュード8.2の地震を受け、気象庁は同9時5分、茨城県から沖縄県にかけての太平洋沿岸、伊豆諸島、小笠原諸島に津波注意報を発表した。和歌山県と三重県南部は同日午後0時30分に高さ1mの到達予想で、同日午後1時現在、「到達中と推測」としている。
新宮市は同9時15分に災害対策本部を設置。熊野川河川敷、王子ヶ浜、三輪崎海岸、三輪崎漁港、新宮港岸壁付近に避難指示を出し、海岸付近には近づかないよう、防災行政無線と公用車を走らせて呼び掛けた。紀宝町も注意報発令と同時に災害対策本部を設置。海岸付近から離れるよう広報するとともに、同11時30分までに職員が鵜殿港の防潮堤を閉鎖した。
那智勝浦町は防災行政無線で繰り返し沿岸部へ近づかないよう呼び掛けるとともに、警報に切り替わった場合には避難指示や避難所開設を迅速に行えるよう準備。太地町は庁内の警戒態勢を敷き、公用車で町民に注意喚起した。
太地町立くじらの博物館はくじらショーなど海上に面した一部の施設の営業は中止したが、本館や水族館はスタッフが安全を確保したうえで営業を続けた。稲森大樹館長は「到達予想時刻まで時間があったため、緊急的な対応でお客さまをあおることはせず、今の発表されている情報を見ながら開館状況を判断するなど流動的に対応することにした」と説明。また、潮位の変化に耐えられるよう、飼育動物の生けすはロープを増設するなど対応した。
尾鷲市では注意報発表を受けて防災行政無線で繰り返し海岸や河口などから離れることを呼び掛け。避難指示は出していないものの、海岸に近い天満地区では集会所に1人が避難した。
紀北町は各地の樋門を閉鎖し、三船中と若者センターの2か所の避難所を開設した。午後1時現在で避難者はいない。潮南中と上里小、西小は一次避難を行って安全を確保した。その後は学校に戻った。予定していた行事を取りやめる学校もあった。
注意報の影響で、紀北健康センターと古里温泉は営業を休止。いこかバスの海野線でも運休が発生した。
■情報発信でミス
新宮市は、津波注意報と到達予想時刻を伝える防災情報で、同日午前9時15分のSNS等に発信した分について、昨年7月のカムチャツカ半島付近での地震の際の情報を誤って送信するミスがあった。9分後に訂正の情報を発信した。
津波注意報で緊張感漂う
気象庁が8日午前9時5分に発表した津波注意報を受け、本紙エリアの各地では緊張感が漂った。
新宮市の市街地にいた女性は「避難指示が出て驚いた。普段からハザードマップを確認して備えている」と話した。 豪州から旅行で訪れた男性(40代)は「那智の滝を歩いて目指していた。ホテルまで戻られれば良いが」と残念がった。
田辺市立三里小学校では、奇(く)しくも発表当時、避難訓練を実施しているところだった。佐々木太(ゆたか)校長は「警報、注意報が出てもパニックにならず、冷静に行動を確認してほしい」と児童たちに呼び掛けた。
