紀北町消防団海山方面隊第3分団3部の矢口浦はこのほど、衛星インターネットサービスのスターリンクを導入。通信がつながりにくくなる災害発生時を見据えた取り組みで、「被災時に孤立しても、連絡がとれることで安心につながり、情報もとりやすくなる」と期待を寄せている。
スターリンクは、比較的低高度の衛星を活用したインターネットで、電源が確保でき、空が開けていればインターネットに接続できる。
過去の災害発生時にも、回線の遮断や混雑で、家族や知人の安否確認や避難所の連絡などがとれなくなったこともある。能登半島地震では、大手通信事業者が国や自治体と連携し、避難所にスターリンクを無償提供しており、有用性が実証されている。
同部はスターリンクのアンテナとルーター、蓄電器、ソーラーパネルをおよそ15万円で購入。通常時は通信速度を低速に制限する「スタンバイモード」で月々の費用を1500円に抑え、被災時にはアプリから「アクティブモード」に切り替えることができる。
アクティブモードは、同時接続でSNSやメールで30~80人、動画視聴が可能という。活用範囲は周囲50メートルを見込んでいるが、ルーターなどをつなげば拡大もできる。同部は発電機もあり、ソーラーパネル以外でも電源は確保できる。
23日に旧矢口小学校で実験があり、団員がスマホでアクティブモードへの転換や、スマホの通信を確認。西村友一部長は「消防団だけでなく、区や自主防災会と連携して活用していきたい。南海トラフ地震発生時は孤立する集落も多く、ほかの地域の参考になれば」と話している。
