自宅の物置で、化石寸前の古いレコードが眠っている。再生するステレオはとうの昔にないが、青春の記憶が詰まっているので捨てられない。
先日のジャズフェスティバルは、そのレコードに針を落としたかのような感動をくれた。どんな高級オーディオもかなわない生演奏の魔力に圧倒された。
相賀出身の永谷正嗣さん率いる23人の演奏家が、3時間に及ぶステージを紡いだ。20年以上続くふるさと公演は地域の夏の風物詩である。
特筆すべきは「永谷さんのツアーに同行したい」と希望する若い演奏家が急増している点だ。しかし現状は永谷氏個人の尽力に依存し、来場者も中高年層に固定化している。高齢の永谷氏の熱意に甘え続ければ、この灯火は途絶えかねない。
プロの演奏が破格の安さで聴けるというのに、あまりにももったいない。地元市民による運営組織をつくれないか。街中ライブや校内コンサートも行えば、その価値が若い世代に伝わり、新しい客層が増えジャズ文化が根付く。市民の手で20年の絆を未来へつなぎたい。
(N)
