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紀南抄「七夕に思い寄せる」

 梅雨らしい梅雨となり、7月に入っても過ごしやすい日が続いている。誰かがSNSで「今年の夏は、プールでブルブル震えながら唇を紫にしていたあの夏みたい」とつぶやいていた。振り返ってみると確かに、学校のプールの授業は寒かった思い出しかない。暑い夏休みは毎日のようにプールへ通ったのに、不思議とプールの授業だけは、寒いという記憶が強く残っている。
 
 7月7日は七夕。織姫と彦星は夫婦でありながら、年に一度しか会えない。現代では多様な夫婦の形や働き方があるが、七夕の夫婦ははるか昔から、適度な距離感を保つ最先端の関係だったのかもしれない。
 
 しかし、年に一度しか会えないのは、ロマンチックというより少し切ない。だからこそ、この日を心待ちにし、お互いを思い続ける気持ちが物語として長く語り継がれてきたのだろう。
 
 短冊には健康や平和など、それぞれの願い事を書く人が多いと思う。私はとりあえずいつも、幸せになりますように、とざっくりと願っている。今年は天の川を眺められるだろうか。梅雨空を心配し、七夕の日の夜空を見上げる。
 
【織】 

      7月 7日の記事

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