高市首相は施政方針や答弁で「人口減少はわが国をむしばむ静かな有事である」と述べている。危機的状況を十分認識しているからこその言葉だが、地方に住む身からすれば、全然静かではない。学校やなじみの店はなくなり、祭りやイベントが途絶えていく。まちがきしむような音を立てながら、活気を失っている現状がある。
ただ、人口減少はもはや地方だけの問題ではなくなっている。昨年10月の国勢調査によると、首都圏でも神奈川、埼玉、千葉の人口が減少に転じ、増加したのは東京都と沖縄県のみ。千葉と埼玉の減少は調査開始の1920年以来初。神奈川と愛知も戦後初のマイナスだという。
地方が苦しみ続けてきたことが、とうとう首都圏にもにじり寄ってきている。東京は人と富を集中させてGDPの2割を稼ぎ出しているが、地方からの人口流入が止まれば、日本全体が自ずと推力を失っていく。
人口減少が有事であるのなら、抜本的な施策が必要となる。あきらめずに知恵をしぼり続けるほかない。
(R)
