戦後80年を迎え、体験者が高齢となる中、未来に戦争の悲惨な記憶を継承しようという動きが出ている。重い口を開き始めた被災者たち。その体験談を若い人が語り部となって伝え、絵や写真など目に見える形で残していこうと奮闘する姿がテレビで数多く放送されていた。
戦地に赴いた祖父もあまり多くを語りたがらなかった。確か祖母の兄は戦死したと聞いた記憶がある。軍服を着た祖母そっくりの写真を見たことがある。しかし詳しくは分からない。父やおじに断片的に聞いただけである。祖父母と一緒に住んでいたのに、1番身近にいた体験者にほとんど聞くことができなかったことをとても後悔している。
久しぶりに、テレビでアニメ映画「火垂るの墓」を観た。数え切れないほど観てきた映画。年齢や時代によって感じ方は変わってくるというが、やはり、中学生の男の子と幼い女の子の孤児2人だけで、あの時代を生き抜くのは難しかったと思う。立派なビルが立ち並び、ネオン輝く今の平和な日本を見ることなく、大人になれなかった子どもたちがたくさんいたことを忘れてはならない。
【織】
