１４日は日中に熊野那智大社で例大祭「那智の扇祭り」、夕方～夜に熊野速玉大社の例祭「扇立祭」と、２つの扇祭りが斎行（さいこう）された。雨予報でどんな祭りになるか心配したが、それぞれ無事に終了して何よりだった。

 

　この日は午前中から雨が降ったりやんだりで、午後から強い雨が降る予報だった。ところが、那智の扇祭りのハイライト「御火神事」の場面では雨がやみ、大松明１２本の火が猛々しく燃え、那智の滝へと続く参道は熱気に包まれた。その後、還御するころに強い雨が降り出した。信仰の火が雨を一時止めたのだろうか。

 

　扇立祭が始まる夕方ごろには断続的に強い雨が降った。例年に比べると人出は少なく、浴衣姿の参拝客もほとんど見られなかったが、雨の日だから見られる光景もあった。一年でこの日だけ開帳される檜扇は、本来本殿はじめ各社殿に開帳されるが、雨のため各社殿分は拝殿に並べられた。同じ場所でしかも間近に見られる機会はめったになく、参拝客らはその光景をカメラに収めていた。上野顯宮司の「雨の日には雨の日のよさがある」の言葉印象に残った。

 

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