この地域の観光振興で、卵か鶏どちらが先か、と考えることがある。宿泊の受け皿がなければ観光振興は進まないが、ホテルや民宿がやっていくためには安定的な観光誘客が見込めなければ厳しい。
港まつりの宿泊では、キャンピングカーのカーシェアの実証実験が行われるが、これはふるさと納税の招待客の宿泊先の確保が念頭にある。昨年は定員700人に約2500人の申し込みがあり、実際に650人が観覧したという。ふるさと納税の競争が過激化する中、尾鷲とつながりが深いロイヤルカスタマーの育成は必要不可欠。キャンピングカーの利用者自体にもこの地域との相性は良いかも知れない。
着想は良い一方、企画としては生煮えで、駐車スペースの確保などで課題がある印象。実証実験の結果次第であるが、ふるさと納税の招待客限定で小中学校のグラウンドの一晩のみの供用も検討してもよいのでは。課題のない活性化策などあり得ない。できる限り問題点をケアしつつ、積極的なアプローチが求められる。
(R)
