アカウミガメの上陸シーズンを前に、紀宝町の井田海岸(七里御浜海岸)で1日、上陸や産卵の形跡を確認するためのパトロールが始まった。ウミガメ保護監視員6人が海岸沿いの砂浜を歩いて見回った。パトロールの前には、監視員や町職員ら合わせ9人が海岸の清掃活動に励んだ。
同町は1988年に全国で初めて「ウミガメ保護条例」を制定。保護監視員の委託は同年から開始され、5月下旬から8月上旬までの産卵シーズンには、井田海岸のパトロール、台風などの高波予想日には卵の保護などを行っている。上陸や産卵の妨げとなるごみの撤去活動は毎年この時期に行われている。
初日となるこの日は、監視員が砂浜を歩きながら、上陸や産卵がないかなどを確認していた。波打ち際から松林までの距離を図る定点観測も行った。清掃活動では、参加者がごみ袋と火ばしを手に、井田川河口までの区間の漂着ごみなどを拾い集め、快適な産卵環境を整えた。
同海岸では浜やせが年々進んでおり、アカウミガメが上陸、産卵できる砂地部分がかなり少なくなっているという。町によると、産卵の確認は2018年が最後(1匹上陸し109個産卵〈ふ化なし〉)、2022年に上陸したものの産卵には至っておらず、監視員の萩野進也代表は「海岸のごみをしっかりと片付け、海岸とウミガメが産卵できる環境の整備につなげていきたい」と話していた。
■パトロール参加者募る
紀宝町は、アカウミガメの上陸や産卵の形跡を確認するために行う井田海岸のパトロールのボランティアの参加者を募集している。誰でも参加できるが、中学生以下は保護者同伴。実施日は6月から7月末までの毎週土曜日の午後8時からで、一度だけの参加も可能。希望者は参加希望日の前日午後5時までに、町役場企画調整課(電話0735-33-0334)に申し込みが必要。
