尾鷲市と紀北町にとって今年は多くの選挙が重なる「選挙イヤー」である。その皮切りとなる尾鷲市長、市議のダブル選挙は1日に告示される。
市長選挙は現職と新人の一騎打ち。市議選は定数10に対して現職、新人それぞれ7人ずつが立候補する見込み。立候補する人には、それぞれの思いをしっかりと有権者に伝えるよう頑張ってもらいたい。選挙公報が配布されることになっているが、辻々での街頭演説など、旧来型の名前を連呼する選挙運動だけでなく、意見を市民に聞いてもらい、市民の声を聞く機会としてほしい。
多くの有権者にとって、選挙での投票は、政治に関わる数少ない機会だ。投票率は低下傾向にある。せっかくの清き一票を大切に行使してもらいたい。
市長選の投票率をみると、平成25年が77.92%、29年が77.89でほとんど変わらなかったのが、前回令和3年は73.18%と4.71ポイントの低下となっている。今回は70%を超えるかどうかと予想している。
得票数や得票率は政治を動かす上で非常に大きな意味を持つ。当選した人にとっては背後にそれだけ多くの応援団がいる実績になるし、一方で自身に投票されなかった票については反省ないしは施策を慎重に進める〝手綱〟となる。「自分の1票が決定的に選挙結果を左右する」というケースはまれだが、自分が持っている1票は重いものという心構えで参政権を行使することが大切だろう。
国会は山場を迎え、コメ問題と年金問題が取り沙汰されている。7月中旬から下旬にかけて参議院議員選挙が予定されている。令和4年の前回の投票率は54.52%。改選期を迎える議員が当選した令和元年の参院選も54.44%と同程度だった。せめて市長・市議選並みの投票率を目指したい。
よりよい社会を目指し、多くの人が政治に関心を持つようになればいい。
