市立図書館の本のリサイクルで東野圭吾の『悪意』を見かけて、思わず手を伸ばした。ホワイダニット、犯行の動機を主眼としたミステリーの最高傑作の一つとも言われている。話が進んで事実が明らかになる度に善と悪がころころと替わり、最後に判明するのは人間の底知れぬ悪意、というミステリー好きなら読んで損はない作品。
兵庫県知事選挙で、不信任決議を受けた前知事がSNSを駆使して再選を果たした。
告発者を自殺に追いやったパワハラ首長か、不当におとしめられた悲劇の政治家か、斎藤氏については判断がつかないが、都知事選の石丸旋風、Xのイーロン・マスク氏が支援したトランプ前大統領の返り咲き、そして今回の兵庫県知事選と、SNSが大きな影響を与えた選挙が続いている。
個人的には、既存のメディアとSNSの戦い、という見方はしていない。個人的にはデマが横行するなら、信頼性のある情報の価値は相対的に高まる。誠実で公平な情報発信が続けられるか、その一点が問われている。
(R)