紀北町長島の紀伊長島郷土資料室で、第33回企画展「考古資料からみえる世界」が開かれている。縄文~古墳時代の埴輪の模型のほか、町内の製塩遺跡も紹介している。12月1日(日)まで。
松阪の遺跡から出土した埴輪が今年3月に国宝に指定された。紀伊長島にも縄文時代から古墳時代の遺跡があり、平安から鎌倉にかけては製塩に関した土器や資料も残されている。
埴輪は古墳の上に並べるための古墳時代特有の粘土の焼き物。円筒のものや、人物や動物、武具、家などを表現した形象埴輪があり、葬送儀式が変化していることが分かる。
古墳時代は、弥生時代からの伝統を受け継いだ土師器を日常使いし、朝鮮半島から伝わった硬い須恵器は貯蔵と供膳に使われていた。
紀伊長島には道瀬、豊浦神社、大名倉、城ノ浜の遺跡で製塩炉や製塩土器が発掘されている。平城京には志摩からの塩が納められたことを示す木簡がある。直径20センチほどのたらいである志摩式製塩土器で濃い塩水を蒸発させ、そのまま塩を運搬していたとみられる。
企画した浅原俊昭さんは「この地域に埴輪の出土例はないが、土器や石器の出土物もある。埴輪や土器などの文化財を知ってもらい、原始古代の歴史について学んでもらえれば」と話している。
開場時間は午前9時~午後5時。毎週月曜日と祝日は休館。問い合わせは、紀伊長島郷土資料室(0597-47-3906)。