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「みんなで生きたい」 "世界津波の日"備えを確認

 国際連合によって毎年11月5日は「世界津波の日」と定められており、津波によるリスクに関する人々の意識を向上し津波対策を強化するため、各地でさまざまな取り組みが行われている。南海トラフ地震が予見されている当地方でもこの日、公共施設などで避難訓練が行われた。
 
公共施設など各地で訓練
 
■ 東 牟 婁 振 興 局
 
 和歌山県東牟婁振興局(新宮市緑ヶ丘)では、職員約200人が緊急地震速報の試験放送を受け、デスクの下に隠れるなど自身の身を守る「シェイクアウト訓練」を行った。その後、各部で災害対応の際に使用する衛星通信機器の点検や備蓄物資の保管状況を確認した。
 
 また、今年は新たに庁舎内外の安全確認を巡回して実施。各部2~3人の職員が防災担当の職員から庁舎設備の点検ポイント、防災関連機器の説明、備品の保管場所などを確認して回った。さらにその後、各部の部長と振興局長らで災害対策本部東牟婁支部会議を模擬的に行った。串本地区の各部もウェブで参加し、会議時の報告事項を確かめた。
 
 鳥羽真司局長は会議の訓練の冒頭、南海トラフ地震の震源域に近い当地域では大きな被害が予想されることから、このような訓練を定期的に行う必要があるとし、発災時の初動の対応などを再度確認する必要があると話した。
 
 
■ 新 宮 高 校
 
 和歌山県立新宮高校(新宮市神倉)では、全校583人が南海トラフ地震を想定した防災避難訓練。生徒らには何時に避難訓練を行うかは伝えず、緊急的に動く練習とした。午前10時に緊急地震速報を放送し、生徒らは机の下に隠れ身を守った。その後、大津波警報が発令されたとアナウンスがあり、それぞれ現在地から一番近い建物の屋上へ避難した。
 
 2年生の森本健星さんは「日本各地で地震のニュースを聞くたびに備えを家族で共有している。津波の時には訓練通り屋上に逃げたい」。2年生の上村七海さんは「何時に訓練をするか知らされない中でサイレンが鳴って、本番のようだった。災害の時は自分の事だけでなく周りの人も助けてみんなで生きていきたい」とした。
 
 
■ 新 翔 高 校
 
 和歌山県立新翔高校(新宮市佐野)では、全校生徒264人が同校敷地内にあるプールサイドへの避難訓練を行った。
 
 訓練は震度5強を想定した緊急地震速報を合図に開始。生徒たちは机の下や身の安全を確保できる場所へ避難した後、揺れが収まったと伝える校内放送とともに屋外へと移動し、市民運動競技場そばのプールサイドへと避難した。避難を終えた生徒たちは、災害教育担当教員の方森啓文さんから「今日の避難訓練を通じて防災への意識向上を心がけて、もしもの時に備えてもらいたい」と総評を受けた。また、和歌山県教育委員会が制作した世界津波の日のパンフレットが全校生徒に配られ、より高い地震津波災害への防災意識の向上を促した。

      11月 6日の記事

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