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紀南抄「旬や産地が変わる?」

 近年、魚の漁獲時期が本来の旬からずれてきているという。また北海道のブリやカツオなど、もともとなじみの薄かった海域で水産物が揚がるというニュースもちらほら。世界的な気候変動や海水温の上昇などで、これまでの旬の概念とは異なる時期や違う場所で漁獲されるようになったのだという。

 今が旬のサンマ。北海道や東北地方などで水揚げされており、丸々太って脂たっぷり。これが冬にかけて産卵のために南下し、紀南地方では脂の落ちたサンマを干物や寿司など、日持ちする保存食に加工して食べる。

 昔はシーズンになると1匹5円や10円で売られていたというが、近年は水揚げ量が激減し、もはや高級魚に。農林水産省によると原因は、2010年に突然起きた分布の沖合化をきっかけに、海洋環境や餌環境の変化により資源減少が進行しているからだという。

 サンマ寿司は随分大人になってから初めて食べたが、今まで食べてこなかったことが悔やまれるほどおいしかった。せっかく好きになったのに、伝統の郷土料理が気軽に食べられないのは大変残念。

【織】

      10月 9日の記事

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