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紀南抄「マングースの根絶」

 「ハブ対マングース」。かつて沖縄や奄美大島で行われていたハブとマングースを戦わせるショーのことで、一般的にはハブの毒が効かないマングースの方が強いといわれている。

 ハブの駆除のために導入され、奄美大島に定着した外来種のフイリマングースについて、環境省は3日、根絶宣言を発表した。人間や家畜への深刻なハブ問題解決の切り札として1979年に奄美に放たれたマングースだったが、日中に活動するマングースが夜行性のハブを捕食するケースは少なく、逆に国の特別天然記念物のアマミノクロウサギをはじめとする希少な野生生物を捕食。2000年から環境省が本格的に駆除に取り組んできた。

 持ち込まれた数は30匹だったが、ピーク時には約1万匹までに大繁殖。すごい生命力である。人間の勝手で期待の星として知らない土地に連れてこられた上、生きていくために動物を食べていたら今度は害獣として悪者扱いされ、根絶やしにされてしまった。世界的に前例のない成果を挙げた環境省の努力はすごいが、振り回されたマングースも気の毒である。   

【織】

      9月 4日の記事

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