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社説「防災情報正しく知ろう」

 8月8日の南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)と今回の台風10号で、日ごろの備えを改めて確認した、あるいは、足りない部分を補ったという人が多いのではないか。

 自宅の備蓄確認や停電・断水対策、避難場所、ルートの確認といった身の回りのことはもちろん、地区によっては臨時情報の発表を受けて避難所の備蓄など〝共助〟に関する点検も行われたと思う。
 
 地震、大雨による洪水、土砂崩れ、風によるもの、高潮、火災など災害は多種多様である。地域性や一人一人の仕事や生活様式によっても被害の出方が違い、それに伴って準備することも違う。
 
 身近な部分で災害に備えるためには、いつ、どこに、どのような危険があるかを調べておく必要がある。
 
 津波浸水区域、洪水浸水区域、土砂災害警戒区域などの情報は、ハザードマップが住民に配布されている。失くした場合でも市町ホームページを見たり、防災担当課に問い合わせれば教えてもらえる。
 
 正しく利用するには、地図に込められた情報を読み解くことが必要だが、自治会や自主防災会の研修会などで、市町の担当者に教えてもらうのもよい。
 
 災害の経験が積み重なることで、防災の手法もさまざまに発展している。尾鷲市では昨年から三木里地区で「逃げ地図」という手法の学習会が行われている。「この場所が通れると短い時間で避難できるエリアが広がる」などの話し合いで人的被害を減らすための知見が得られる。
 
 大雨の時はタイムラインという考えが有効。例えば「近所の川の水位がこの高さになったら避難する」などと事前に決めておけば、慌てずにすむ。
 
 各地で防災訓練が行われる時期である。自主防災組織などの訓練に参加するのはもちろん、住民が何人か集まれば出前講座を開いてもらえる。安心の度合いを増すためにも、この機会に防災研修会に取り組むのはどうか。
 

      8月31日の記事

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