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紀南抄「訓練は本気、本番は必死」

 避難訓練で大事なのは、本気度だと思う。太地町教育研究会の津波避難訓練が6日にあり、和歌山大学で開発しているアプリを使って、津波がどれくらい迫っているか、自由に選択した避難経路が津波に飲み込まれているか・いないかなどをリアルタイムで確認しながら避難するものだった。この情報技術の素晴らしさは言うまでもないが、訓練の素晴らしかったのは、主導した和大の田内准教授、後客員教授の熱量が参加者に伝わったことだと感じている。

 後さんは各地で防災講演をしている中で「逃げ遅れて行方不明になって捜索などの迷惑になるならはじめから家にいて逃げない方がよいのでは」という高齢者が一定数いることを語り「普段伝えられる津波の速さや高さなどは最大の被害を想定したもの」だとして、逃げることを諦めないでほしいと語った。田内さんも「意外と簡単に逃げ切れる印象になると思う。これで油断されるのもよくないが、全員逃げる気になる訓練ができたら」と話した。

 こうした人々の本気が、願いが、命を守ることにつながる。”本番”は本気どころか、必死になるのだ。

【稜】

      8月 8日の記事

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