「身を守る対策を」
新宮市熊野川町や北山村などの地域でツキノワグマの目撃情報が例年より多く寄せられており、和歌山県東牟婁振興局衛生環境課(新宮保健所)は注意を呼び掛けている。特にキャンプ場や民家から遠くない地点など、人里近くに出ている傾向があるというが、人的被害は今年度、管内で確認されていない。
同課によると、6月~7月の2か月間で10件の目撃情報が自治体や県民などから寄せられた。場所は新宮市熊野川町の宮井、九重、四滝、西敷屋と北山村の小松、大沼、竹原。ただし、同じ個体が複数回発見されている可能性も高い。
このうち6月29日の熊野川町宮井、7月18日の熊野川町西敷屋では子グマが目撃されている。同課は、子グマの近くには母グマがいる可能性が高く、子育て中の母グマは特に神経質で攻撃性が高いため、子グマであっても近づかないよう呼び掛けている。
クマから身を守るためには、まずクマを引き寄せないために釣りやキャンプをする時は食べ物の置き場に注意し、ごみは必ず持ち帰る。自宅などでも、生ごみや不要になった農作物を放置しないように管理を徹底する。
また、山でクマと出会わないためには2人以上で行動するようにし、クマ鈴や携帯ラジオなどを鳴らしながら森に入るなど、クマに自分の居場所を知らせる工夫を行う。
万が一クマと遭遇した場合は、慌てて逃げるようなことはせず、クマをじっと見ながら背中を見せず、驚かせないようゆっくりと離れる。
クマを目撃したり足跡などの痕跡を見つけたりした場合は、新宮保健所(電話0735-21-9631)もしくは自治体に連絡する。