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社説「夏本番へ緊張感持った運転を」

 夏の交通安全運動が和歌山、三重両県で11日、始まった。ともに20日までの10日間、交通事故防止に向けた広報啓発活動が展開される。

 交通安全運動は春夏秋冬の年に4回あり、春と秋は全国、夏と冬は都道府県単位での実施。目指すところは同じだが、時季により特性がある。春は年度初めで生活環境が変わり、特に新入生や園児たちの通学・通園の安全を図る。秋は行楽シーズンで他地方からの車の流入が増えるなど交通量の増加に伴う安全意識高揚を求める。冬は夕暮れ時間が早くなるため早めのヘッドライト点灯などで事故防止を図るとともに、慌ただしい師走の社会情勢の中でも気持ちにゆとりを持った安全運転を呼び掛ける。
 
 そして夏は、暑さによる疲れや気の緩みなどによる交通事故が多発する時季のため、一人一人に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの順守と正しい交通マナーの実践を習慣づけるよう求める。
 
 運動の重点は、子どもや高齢者ら交通弱者を守ること、飲酒運転の根絶、歩行者優先の意識の徹底を図ること、自転車等のヘルメット着用の推進など、両県で共通する。期間中は関係団体による各所での啓発活動や安全教育推進をはじめ、各警察署は取り締まり強化の姿勢で臨む。
 
 集中力が低下すれば、安全確認がおろそかになったり、いつもよりブレーキが遅くなったりして、思わぬ事故につながる。間もなく学校が夏休みに入り、日中から夜にかけて子どもたちの活動が活発となることも踏まえれば、より一層、注意してハンドルを握らなければならない。暑さで体調がすぐれなかったり、寝不足だったりする場合は迷うことなく運転を控える判断をしてほしい。
 
 和歌山、三重の両県警は、信号機のない横断歩道での一時停止を繰り返し周知しているが、当地方のドライバーには随分その意識が浸透してきたように見える。やはり運動期間中に限らず、機会あるごとに周知すれば、おのずと効果は上がる。これから夏本番、猛暑の中でも適切な熱中症対策を行い、緊張感の持った運転を一人一人が意識することで、交通事故は減少する。各自治体でもさまざまな広報手段を使い、交通安全への住民の意識が常に高くなるよう努めてもらいたい。
 

      7月12日の記事

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