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社説「尾鷲市W選まで1年」

 尾鷲市は市長、市議会議員のW選挙まで1年となった。市議は、再挑戦する人も含め何人かの噂を聞く。市長選は、現職の加藤千速市長は態度を明らかにしていないが「後期高齢者になった」と言いながらも意気軒高な様子。現職に新人が挑む構図になる可能性が高い。

 争点は何かという話では、まず国市浜公園整備と津波避難タワーの建設が挙がる。国市浜公園については新野球場が整備される。それ以外の公園の整備を進めるのか、立ち止まるのか。施設全体の避難対策と合わせて、次の4年の大きな課題になることは間違いない。
 
 中井町と矢浜の津波避難タワーは、本年度に詳細設計を行い、着手は7年度。いざという時に利用を予定している住民の意見が何よりだが、仮に市長が交代した場合、着手取り止め・再検討という可能性はゼロではない。
 
 目下不透明なのは大型製材工場の誘致。来年春にどこまで話が進んでいるか。進んでいないにしても、進出を希望する企業を「断る」なら、具体的な見通しを持った代案を選挙で示す必要があるだろう。
 
 そのほかの事柄は、率直なところ「誰が市長になっても」同じような対応を取ることになりそうだ。人口減少に伴って税収が減る一方、住民サービスの負担はほぼ変わらない。どこで節約して、何に投資するかという話で、よほど飛び抜けたアイデアでないと候補者間の〝差別化〟はしにくい。
 
 これまでの状況を見ると、動きが表面化するのは10月以降。前回は最初の立候補表明が選挙の年の1月だった。東京都知事選は告示(6月20日)まで1か月を切る中、現職の小池百合子知事は態度を表明していないこともあり、構図が固まっていない。同様に、地方の選挙でも主要候補の立候補表明時期がだんだん遅くなっている。
 
 有権者にしっかり主張を聞いてもらい、判断してもらうのが選挙の基本的なあり方。充実した選挙戦になることが重要だ。
 

      5月25日の記事

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