11日で東日本大震災の発生から13年を迎える。今年は元日の能登半島地震を受け、東日本大震災について触れられる機会も多い。「3・11」は津波で本当に多くの人がなくなった。原発事故も含め、どうしても「未曾有」の部分にばかり視点が向けられたと思う。能登半島地震に関する報道との対比でそのように感じる。
市の防災対応の基礎となる地域防災計画(地震・津波対策編)では、過去最大クラスの場合でも揺れと津波で約5000棟の建物が倒壊。死者は地震の揺れで約5600人、建物の倒壊で約40人など約5700人に上ると推計している。想定した時に比べ人口が減っているとはいえ、住民の3分の1が亡くなるという想定。
国は「3・11」の後、防災対策の推進や住民の意識向上で、10年ほど前に行った推計に比べて被害は減るとして被害想定を見直す方針らしい。
防災対策の先は長いが、事前復興計画も含めて議論しておかないと、被災後の急激な人口減少が避けられない。対策と計画づくりの着実な進展を求めたい。
(M)